静岡の畜産ひろば

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イベント情報

	第８４回静岡県畜産共進会(乳牛の部)の結果
		静岡県畜産協会
		非常勤コンサルタント　秋元峻二

第50回農林水産祭参加・第84回静岡県畜産共進会(乳牛の部)が平成22年11月9日(火)、経済連東部畜産センターで開催されました。当日は素晴らしい天候に恵まれ、行政機関をはじめ、各団体や生産者など、多くの酪農関係者が参観に訪れ盛況でありました。しかし、出品頭数は宮崎県で発生した口蹄疫の影響から、出品を自粛する農家も多数見受けられ、過去に例のない極めて少頭数での開催となりましたが、未経産牛および経産牛ともに優秀な牛が数多く出品され、内容の濃い共進会でありました。 　 開会セレモニーでは、静岡県畜産協会・相山副会長より開会宣言、静岡県経済連・横山参事より開会の挨拶、審査員の紹介等があり、その後直ちに審査が開始されました。 審査は北海道ホルスタイン農協認定審査員の瀬能　剛氏(審査長)と静岡県畜産技術研究所・研究統括監の神尾泰宏氏(審査員)の両名で行なわれました。 出品頭数　1部-未経産牛・2部-経産牛　　合計　45　頭 (内 訳) 1部　未経産牛 1類 生後12ヶ月以上15ヶ月未満 9頭     2類 生後15ヶ月以上18ヶ月未満 7頭     3類 生後18ヶ月以上21ヶ月未満 4頭     4類 生後21ヶ月以上24ヶ月未満 4頭       計 24頭   2部　経産牛 1類 生後24ヶ月以上30ヶ月未満 6頭     1類 生後30ヶ月以上36ヶ月未満 8頭     1類 生後36ヶ月以上48ヶ月未満 3頭     1類 生後48ヶ月以上 4頭       計 21頭 　未経産牛(1部-1類〜4類)について 総体的に月齢に見合った発育を示し、資質に優れ、若牛らしく活気にあふれ、各部の移行が滑らか且つ、鮮明で、肋の開張、背腰、肢蹄の強健性に富んだ牛が数多く出品された。しかし、肋腹の充実に欠けるもの、肢蹄に難があるものが散見されましたので平素の飼養管理には充分留意されることが必要に思われます。 第１部第１類　優等1席   出品者　静岡県農林大学校　 名号　アサギリ　チャンピオン　ミス 生年月日　21・10・23生 資質・品位に優れ、背腰が強く、各部の輪郭が鮮明で肢蹄の強健性に富んだ牛でありました。しかし、歩様の正確性に若干欠ける点が惜しまれました。 第１部第２類　県知事賞　優等1席     出品者　高橋実徳 名号　ハイブリッジ　F　マダムサミー 生年月日　21・6・5生 資質に優れ、体躯は長く、背腰は強く平で、各部の輪郭は鮮明で、肋の開張度と腹部のしまり、深さは適度で、歩様は正確で強健性に富んでいました。 第１部第３類　優等1席   出品者　岩崎藤和　 名号　アサギリ　ミニスター　ヒラリー 生年月日　21・3・17生 資質・品位に優れ、背腰は強く、各部の移行は滑らか且つ、鮮明で、肋腹は適度に充実し、良くしまり、歩様は正確で強健性に富んでいました。しかし、若干、体の幅に欠ける点が惜しまれました。 第１部第４類　優等1席   出品者　平井利幸　 名号 プロパープライド　アドミラル　ナチョ 生年月日　21・1・18生 資質に優れ、各部の移行は滑らかで良く締まり、肋と腹は深く充実し、乳用性に富んでおり、歩様は力強く正確でありました。 経産牛(2部-1類〜4類)について   　 乳牛の特質と品位に優れ、各部の移行はスムーズで、輪郭鮮明で鋭角性に富んだもの、肋腹は深く充実し、肢蹄は強健で良く締まり、歩様の正確なもの、乳房の形状は高く、幅広く、前後左右のバランスがよく、靭帯は明瞭で力強く、乳頭の配置・長さ、太さが適正で乳用性に富んだ牛が数多く出品された。しかし、中には品位、輪郭の鮮明さに欠けるものや、乳器、肋腹、肢蹄に難があるものが散見されました。よって、出品者の皆さんにおいては、平素の飼養管理に充分留意するとともに乳牛の改良目標をしっかりと定めた後に実行に移すことが必要に思われました。 第２部第１類　優等1席   出品者　平井利幸　 名号 セノファーム　ジャスパー　 ペギー 生年月日　20・9・6生 輪郭は鮮明で、鋭角性に富んでおり、背腰と肢蹄は力強くよく締まり、骨味もよく、乳房の形状は前後・左右バランスがよく、力強く且つ、高く付着しており、乳用性に優れた牛でありました。 第２部第２類　優等1席   出品者　渡辺　稔 名号　カラミティ　レオ　バックアイ 生年月日　20・1・17生 各部の移行は滑らかで、肋・肩・腰は力強くよく締まり、乳器は体に見合った大きさで、乳房は前後のバランスもよく、高く幅広く付着し、靭帯も明瞭で底面は平で、乳頭の長さ、配置も良好でありました。 第２部第３類　名誉賞(農林水産大臣賞)　優等1席   出品者　岩崎藤和 名号 グリーンバレー　ジュラー　 ブルック 生年月日　19・7・15生 資質に優れ、輪郭は鮮明で、首から肩への移行はスムーズで、鋭角性に富んでおり、前肋から後肋にかけ適度に開張し、胸底は幅広く充実し、肢蹄は強く、歩様は正確であった。乳房は質も よく、前後左右のバランスも良好で、後乳房は高く、力強く、乳頭の配置、太さ、長さは理想的で、極めて乳用性に富んだ牛でありました。しかし、体の大きさに比較して若干、乳器が小さいように思われました。 第２部第4類　優等1席   出品者　高橋実徳　 名号 ヤナギ　エルヒーローズ　 スターバック 生年月日　16・8・6生 高さ、長さ、幅等、スケールの大きな牛で、パワーもあり、輪郭鮮明で、肩、脇のしまり、肋の開張、腹はよく締まり、歩様は力強く正確で、乳房は力強く、高く、幅広く付着し、正中堤靭帯も深く明瞭で 、乳房底面は水平で、乳頭の長さ、配置も良好でありました。ただ、四肢および蹄冠部において、やや締まりに欠けた点が非常に惜しまれました。 　 今回の県共進会は出品頭数が少なく、非常に寂しい開催となりました。しかし、未経 産牛及び経産牛の各部類において優秀な牛が数多く出品され、参観に訪れた酪農家等には今後の乳牛改良の面で大変、参考になる有意義な共進会であったと思われます。 ご承知のとおり、宮崎県の口蹄疫発生の関係で順延された、第13回全日本ホルスタ イン共進会が平成23年10月に北海道で開催されます。静岡県からは、経産牛と未経産牛あわせて6頭の出品が予定されております。過去の全共成績を見ると本県は、大変優秀な成績を収めております。今後、県出品対策協議会が中心となり候補牛の選出や飼養管理の指導が定期的に実施し、最終段階で比較審査を経て6頭の出品牛を決める予定になっております。是非、全共で優秀な成績を上げられますよう関係者一丸となり頑張って頂きたいと思います。